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失敗しない!土地探しのコツとポイント-13


地震に強い土地の選び方-7(写真:役所で入手した都内某所のボーリングデータ)

前回からピンポイントで地盤調査資料(ボーリングデータ)を入手する4つの方法をご紹介しています。今回はその二つ目、役所に行って調べる方法です。

・役所で調べられる地盤調査資料とは?

最近でこそ前回ご紹介したようにWEBで得られる資料も多くなりましたが、全ての自治体でそのようなサービスが提供されているわけではありません。それでも、ほとんどの自治体では、ある部署に行けば蓄積された地盤調査資料を閲覧することができます。

・地盤調査資料を閲覧できる部署とは?

それは建築審査課や建築課という名称の部署です。

自治体によって名称が異なりますので、役所の総合受付にて「地盤調査資料を調べたい」と伝えれば、適切な部署を教えていただけます。もし伝わらないようであれば、「建築確認のことを聞きたい」とお尋ねください。そうです、そこは建築確認申請の審査を担当する部署です。

建築確認申請とは、建築基準法第6条などに定められた建築物を建てる際に必要(都市計画区域外の小規模な建築物などは例外あり)な手続きで、建築やよう壁や煙突などの計画が、建築基準法や関連法令の規定に適合しているか否かをチェックするものです。かつては、各自治体が全ての審査を担っていましたが、平成11年に施行された改正建築基準法により、民間の会社でも国土交通大臣や地方整備局長、都道府県知事の指定を受ければ、審査を引き受けることが出来るようになっています。

・どうやって資料を見せてもらう?

役所の総合受付で案内された部署(建築審査課や建築課など)の窓口に行ったら、自分の机に向かって仕事をしている人に「ボーリングデータ(または地盤調査資料)を見たい」とお伝えください。たいていの場合は受付などありませんので、カウンター近くにいる誰でもOKです。

実際にデータを管理しているのは、その資料を建築確認の審査で使う構造の担当者ですので、その方を呼び出してくれるか、窓口を教えてくれるでしょう。

担当の方が見えたら、調べたい土地の住所を伝えます。すると、当該土地周辺のいくつかの候補が提示されるのです。コンピュータで管理しているところもあれば、クリアファイルに集めているところもあったりしますので、その中から候補地に近いところを選び出してください。

時々「地域資料室」のような部署でのみ開示している役所もありますが、その場合も総合窓口にて案内頂けるでしょう。

・資料のもらい方のポイント

まれに候補地そのものの資料と思われるものもありますが、資産価値に直結する資料ですので詳細な住所は伏せられています。

ほとんどの場合が候補地から少し離れた土地のデータしか得られないと思われますので、候補地周辺の2,3のデータを見せてもらうと良いでしょう。なぜなら土質は少し距離が離れると、まったく変わることがあるからです。例えば、ある土地では地面からそれほど深くないところに良質な地盤が出たけれど、その隣地では腐植土を含む緩い地盤だったため、古い地図を確認してみると、どうやら近くの通りがむかし小川を埋め立てたもので、隣地はその流域に入っていたためらしい。などということもあるからです。

資料のプリント費用はたいてい無料かと思いますが、有料だとしても数十円から百円程度でしょう。資料を預かって、ロビー等に備え付けの有料のコピー機で複写するよう促されるところもあります。自治体によってはコピー(またはプリント)不可のところもありますので、念のためトレーシングペーパー(うつし紙)を持参すると書き写しが楽になります。

また、ボーリングデータ自体はプリント可でも、それがどのあたりのデータであるかを示す地図のプリントは出来ないことがほとんどですので、敷地周辺のやや広域の地図を持参して、手描きでプロット出来るようにしておくことをお勧めします。

記事上部の写真は、23区東部の役所で入手したボーリングデータです。何も加工されていない生の資料で、調査地点の標高、土質とその高さ(深さ)や色調、孔内水位などの情報が得られます。

地盤の固さを示すN値は、地盤面下35m程度まで0~5ほどしかなく、50m程度でようやく堅固な砂礫(されき)の層が出ますので、高層のマンションやビルを建設する際は50m級の杭が必要となると想定されます。

長くなりましたので地盤調査資料(ボーリングデータ)を入手する4つの方法の3つ目「3.建築設計事務所に聞いて調べる」は、次回「失敗しない!土地探しのコツとポイント-14 地震に強い土地の選び方-8」にてご紹介します。

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