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生駒の広縁 house in ikoma

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用途

竣工

所在地

構造設計

施工 

健全な郊外
1960年代以降日本各地で開発が進められたニュータウンは、当時の入居者が高齢化してオールドニュータウンとなっていると言われるような状況にあります。
本計画地がある地域も1970年代後半に開発されたニュータウンではありますが、住宅地としては広めの6m幅の道路で整然と区画され、ところどころにある開発時に設けられた公園が住民の憩いの場となっており、地域全体が西に傾斜していることと1.5mの外壁後退距離が設定されていることで、各住宅の2階レベルからは、大阪との境界に横たわる生駒山地の稜線をのぞむことができる、優れた住環境を持つ住宅地となっています。そのため世代交代を迎えた現在でも、転出する人がいても新たに転入してくる家族がある、いわば新陳代謝をしている健全な郊外といえるでしょう。

公園に開かれた家
なかでも、本計画地は南側に道路を挟んで2,000㎡を超える広い公園がある絶好の場所で、建築主夫妻が2年間の土地探しの末に巡り会ったものです。道路とはアプローチする一角を除いて高低差があり、道行く人との視線の交錯が気になるような状態ではなく、もちろん他の地域から沢山の人が押し寄せるような過剰ににぎわいがある公園でもないため、「シンプルで開放的な家」を望む建築主の意向を踏まえ、最大限南側の陽光と景色を享受出来る箱を考えました。

風景を「広縁」で引き寄せる
家全体の大きな構成は、南側の公園に対して大きく開かれた箱形に2階の床を差し込んだシンプルなものです。外壁はスギ板にグレーの塗装を施し、内壁は白い壁と天井で覆い、その中にシナ合板の壁で囲われたキッチンや浴室といった水回り、あるいは寝室やウォークインクローゼットなどの限定された用途を持つ空間を挿入しています。給排水設備や洗剤など生活感のあるものを囲い込むことで、その他の空間をスッキリとさせるほか、ボリューム自体を南側の開口部から2m程度、ウッドデッキの先端からは3m程度セットバックさせて、半屋外のような「広縁」状の空間を生み出したことで、「広縁」が庭や公園の風景を引き寄せて、生活の場の一部として感じられるようにしています。
1階の「広縁」では連続的な空間を和室、リビング、ダイニングとして使い、2階には壁面を覆うほどの本棚を設け、机を置いて子供の勉強部屋や書斎代わりになる半ばフリースペースのような場所としました。家全体が南側の公園に大きく開かれたさまは、公園を望む客席のような、あるいは公園から見る舞台のような場となりました。

 

一戸建て注文住宅

2015年

奈良県生駒市

橋本一郎、小澤雄樹

/エス・キューブ・アソシエイツ

住まい設計工房