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失敗しない!土地探しのコツとポイント-9


失敗しない!土地探しのコツとポイント-9

地震に強い土地の選び方-3(画像出典:ジバングー) ・土地を買う前に地盤調査をできる? その土地の地盤の構成を知る方法として一番確実なのは、いわゆる地盤調査を実施することです。でも、土地を購入する前に地盤調査を実施することは現実的ではありません。本来であれば地盤調査結果を明示して、その土地の「品質」を知った上で購入できると良いのですが、現時点では購入時にそれを確認できる土地は非常に少ないのが実情です。 ・地盤調査済みの物件はある? 「地盤の良い土地に住みたい」というシンプルなニーズ。それに応える不動産メディア「ジバングー」が2016年に現れました。 https://jibangoo.jp/ ためしに東京周辺を見てみましょう。 「浸水の可能性」「地震による揺れやすさ」「液状化の可能性」「土砂災害の危険区域」の4点が、色分けされて一目でわかるようになっています。非常にわかりやすいサイトです。前回の記事「失敗しない!土地探しのコツとポイント-8」でご紹介した「地盤安心マップ」を元に、物件情報をプロットしているようで、「地震による揺れやすさ」を表示させてみると、揺れやすさが小さい(=揺れにくい)は濃い緑色、非常に大きい(=揺れやすい)は赤色で表示されます。 物件数的にはまだそれほど多く登録されてはいませんが、揺れやすさが中位の黄緑色で表示されている武蔵野市や三鷹市といった中央線沿線の物件が目立ちます。いわゆる武蔵野台地に位置しており、この範囲にある一般的な土地は地盤面下の浅いところで良好な地盤が出てくることが多いエリアです。 ここから選べばかなり安心!というわけですが、もともと人気のエリアで地価も相応に高いところですし、勤務先やご実家との距離などの諸条件からすると、この範囲は選択肢に入らないという方も多いでしょう。 ・揺れやすい土地はダメなの? 改めて「ジバングー」による「地震による揺れやすさ」の色分けを見てみましょう。 都心部にも赤い部分が多くあり、山手線の内側にある赤い部分の多くは河川またはその流域で、かなりの幅があります。 多摩川の下流にあたる大田区や、隅田川~江戸川に挟まれたエリアの大部分も揺れやすいと判定される場所です。でも、現にびっしりとビルや住宅が建っていて、東日本大震災のように震度5弱~5強を記録したときでも倒壊する建物が多発するようなことにはなりませんでした。 つまり揺れやすい土地においては、それに応じた対策をすればよいということになります。 ・揺れやすい土地に応じた対策とは? 「なにごとも基礎が大事」と言われますが、基礎とはもちろん建物と地面とが接する部分にある構造物のこと。古くは柱の下に置いた石(礎石)、現代ではおおむね鉄筋コンクリート製のもので、建物の荷重を地盤に伝える重要な部分で、地盤はその荷重に耐えられないとき、建物が沈んだり一部が沈んで傾いてしまったりします。 建物自体がいくら頑丈でも、地盤がそれに耐えられなくては話になりません。 まさに基礎が大事なのですが、その基礎工事の前半部分に行われる「地業(じぎょう)」も基礎の基礎と言うべき非常に重要な工事なのです。 ・地業(じぎょう)とは何をする工事? 表層の地盤が良好で建物の荷重をそれ自体で支えられるとき、平滑に掘った地盤に割栗石(わりぐりいし)と呼ばれる大振りの石を敷いて締め固めて基礎を直接地盤に置きます。 一方、大きなビルなどで表層の地盤が建物の荷重を支えきれない場合は、コンクリート製や鉄製の杭を堅固な地盤まで打ち込んで、そこに基礎を支持させます。前者の「石を敷いて締め固める」も後者の「杭を堅固な地盤まで打ち込む」も、基礎を支える地業工事にあたります。でも、杭工事は地盤面下深くまで打ち込むためにコストの掛かる工法ですし、住宅や小規模なビルの場合はそこまでの工事が必要なほどの荷重が掛からない場合がほとんどです。 では、基礎を直に地盤に置くには緩く、かつ杭を打つほどではない時はどうするのでしょうか。 土地の選び方に関する直接的なノウハウではありませんが、土地を買って建物を建てる場合には、「建築に関わる総合的な費用の目処」をつけることが重要ですので、次回「地震に強い土地の選び方-4」に続きます。

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