おぎ野医院
診療所
2019年11月竣工
埼玉県
清水川真/レイドプランニング
篠崎工務店
診療しながら建て替える~30余年の信頼を引き継ぐクリニックの事業承継
30年以上にわたり当地で地域医療を担ってきたクリニックの事業承継に伴う建て替えです。
既存建物での診療をしながら、敷地内駐車場に新しい診療所の建設を進めました。
建替え計画の流れ
フェーズ1:基本計画(各種調査および諸官庁協議)
フェーズ2:基本設計(プランおよび構造等仕様の想定)
フェーズ3:開発条例事前協議および申請
フェーズ4:実施設計(見積用および各種申請用図面作成)
フェーズ5:都市計画法第32条同意申請(開発許可に関連した公共施設管理者との協議)
フェーズ6:都市計画法第29条申請(開発許可申請)
フェーズ7:都市計画法第60条申請(都市計画法への適合証明申請)
フェーズ8:建築確認申請
フェーズ9:福祉のまちづくり届出(診療所として必要なバリアフリー仕様に関する届出)
フェーズ10:景観条例届出(建物外観に関する届出)
フェーズ11:省エネ法届出(建物の省エネ性能に関する届出)
フェーズ12:都市計画法第37条申請(開発行為と建築行為を同時に行うための申請)
フェーズ13:着工
フェーズ14:新棟完成(外構未完成)
フェーズ15:仮使用承認申請
フェーズ16:夏季休業期間を利用した既存建物から新築建物への引っ越し
フェーズ17:既存建物解体
フェーズ18:外構工事
フェーズ19:開発許可および建築確認等各種完了検査
フェーズ20:完成
フェーズ13の時点では、伊勢神宮における式年遷宮時のように一時的に新旧二棟の診療所が一つの敷地内に建っており、その状態から既存棟の解体と外構工事を行うために敷地内の防火避難上の安全を確保した上で、新棟の仮使用承認のための検査を経て使用を開始します。
開発許可申請が必要なケースであったため多くの申請や届出を経る必要がありましたが、計画をスムーズに進められるよう「フェーズ1:基本計画時」に入念な調査と諸官庁との協議を行い、建築主・施工者・医療コンサルティング会社とのスケジュール共有を徹底することで業務を止めることなく、また元々の住居表示(住所)を変更することなく診療所を建て替えることが出来ました。
また、通常の建て替え計画においては相応の休業期間を要しますが、既存棟から新棟への引っ越しを通常の夏季休業期間に実施するスケジューリングにより建替工事に伴う休診も不要とし、30余年にわたる信頼が途切れることなくスムーズに継承されました。